体の悩みの中でも臭いに関しての悩みを持つ方に多いのは、わきがや口臭などではないでしょうか。
話すときに口臭が気になったり、汗をかいたときにわきがが気になったりすると思います。
今回は、臭いの悩みの中でも重度のわきがの方に向けてデオドラントが効くかどうかご紹介していきます。

一般的なデオドラント対策

制汗剤

自分がわきがだと気がついた時、みなさんはどのような対策を考えるでしょうか。

まずすぐに思いつくのは制汗スプレーの使用でしょう。

近年では多種多様な制汗剤が開発されており、ドラッグストアやバラエティショップなどで数百円台から販売されています。

メジャーなスプレー缶タイプだけでなく、ロールオンタイプ、拭き取りシートタイプなどその形態は様々です。

実はこの制汗剤、重度のわきが体質の方とはあまり相性がよくありません。

使用することで一時的に汗の分泌を抑えてくれるため、軽度のわきがであれば多少の臭いを軽減できるかもしれません。

しかし、そのほとんどは効果の持続性に問題があり、数十分程度でまた臭いが気になってきてしまうようです。

また芳香効果が含まれている商品では、人によっては香料とわきがの臭いが混ざり合い、嫌な匂いを周囲に振りまいてしまう可能性も考えられます。

もちろん、すべての人に全く効果がないというわけではありません。

わきが症状が比較的軽度である場合、制汗剤の使用によって臭いが気にならなくなることもありますので、まずは試してみても良いのではないでしょうか。

しかしこうした制汗剤の使用は「外出時の一時的な対策方法」として考えるべきであり、あくまでも根本的な解決策ではないことを覚えておきましょう。

香水

こちらもわきがの対策方法の一つとしては間違いではありません。

しかし、香りに敏感で繊細な日本人にとっては少し難しい方法だと言えます。

日本人はそもそも体臭が比較的弱い人種で、わきが体質の方も約15%と他国と比べると割合が非常に少ないのです。

そのためか香水を強く香らせて個性を主張する文化はあまり浸透しておらず、相手を不快にさせない程度に自分が香りを楽しむもの、と考えている方が多いでしょう。

外食時や公共交通機関を利用する際など、香水が強すぎると周りに迷惑だから…と使用量に気を遣ったことがありませんか?こうした気配りの文化が浸透している中で、わきが体質の方が臭いを隠すために香水を使用すると「わきがと香水が混ざった臭い」を広範囲に振り撒いてしまうことになります。

嫌な臭いを隠したかったはずがその臭いをさらに広げているのです。

強い香水の匂いを嫌い、さらにそれが体臭と混ざり合った匂いもあまり嗅ぎ慣れていない日本人にとって、これは悪印象の元となってしまいます。

体臭対策用石鹸

体臭用・わきが用・加齢臭用などと謳って販売されている消臭効果のある石鹸です。

これは配合されている成分によって作用は様々なのですが、その多くは「ミョウバン」「カテキン」「柿渋」といった、消臭・殺菌成分を配合しているのが特徴です。

これらで体を洗うことによってわきがの原因である皮膚の常在菌の繁殖を抑えることができます。

しかしいくら減菌しても常在菌は繁殖を繰り返し、ひたすら増殖を続けて3時間程度で元の数に戻ってしまいます。

また、菌と言っても全てが悪い作用を引き起こすものではなく、皮膚を保護するために存在している良い菌もいるため、頻繁に石鹸で洗うことは推奨できません。

洗いすぎによって皮膚の乾燥を引き起こしてしまうと、結果的に皮脂の分泌を促進することになってしまい、わきがの臭いを強めることにも繋がってしまいます。

あくまで対処療法

一般的なデオドラント商品である「制汗剤」「香水」「殺菌石鹸」の3つを取り上げました。これらはどれも、すでに発生してしまった臭いをどのように抑えるか?といった「対処療法」になります。

比較的軽度のわきが症状の方、また人と会うため一時的に臭いを抑えたい、と言った際には効果を発揮するかもしれませんが、しばらくすると必ずまた元の臭いに戻ってしまいます

わきがを完全に治したいと思っている場合はこのような対処療法だけでは解決できません。

根本的な原因を取り除かない限り、いたちごっことなってしまうのです。

デオドラント商品だけでは臭いを抑えきれない方、きちんと元から治したい方には外科手術がおすすめです。

手術によるわきが対策

手術方法

現在最も効果的だと言われているのは、手術によってわきがの原因となるアポクリン汗腺を取り除いてしまう・又は破壊してしまう方法です。

手術方法もいくつかあり、皮膚を切開して汗腺を直接見ながら取り除くもの、切開して汗腺を吸引するもの、切開せず電磁波を照射するものなど様々です。

それぞれの生活スタイルや費用に合った手術法を選ぶ必要があります。

その中でも再発の可能性が低く、全国の多くのクリニックで保険を適用して行える「剪除方」という手術方法が一番メジャーです。

これは脇の皮膚を数cm切開し、皮膚を裏返し、アポクリン汗腺を直接取り除いてしまうという方法です。

アポクリン汗腺は直径4mm程度の丸い粒状のため、医師の目でしっかりと確認することができます。発達したものだとイクラの粒くらいの大きさになることもあるようです。

直接目で見て除去できるため、取り残しが少なく再発率が低いと言われています。

術後しばらく脇を固定する必要があります。

次に皮膚を切開しない方法をご紹介します。

切開しない方法にもいくつかあるのですが、有名なのは「マイクロウェーブ法」別名「ミラドライ法」と呼ばれているものです。

これはミラドライと呼ばれる機械を使用し、特殊な電磁波を皮膚の表面から照射することで、皮膚の下にあるアポクリン汗腺を破壊するという手術です。

切開をしないため術後のケアが簡単ですが、照射漏れがあると一度で完全にわきがの臭いが消えないことや、しばらくして再発してしまうことがあります。

手術についての詳細は「わきがは手術すれば完全に治るの?料金や方法・保険などの総まとめ」の記事を御覧ください。

何科に受診すべき?

このような手術は「皮膚科」「形成外科」「美容形成外科」などを受診することで受けることができます。

しかし、クリニックによってはそもそも手術を行う設備が無いところもあります。

そういった場合、殺菌クリームなどを処方する対処療法による治療になってしまいます。

事前にホームページや電話などでわきがの手術をしてもらえる病院かどうかを確認しておくとよいでしょう。

近年ではわきがの治療だけを専門に行っているクリニックも増えてきました。

他の患者と顔を合わせないように待合室がパーテーションで仕切られていることや、名前を呼ばずに番号札で呼び出しをするといった、わきが患者に配慮した体制を取っているところもあります。

保険は適用になるのか

わきがの治療は審美的観念で捉えられてしまうため、多くの手術が「自由診療」、つまり治療費の10割すべてを患者が負担するという制度を取っているクリニックが多いようです。

美容整形や審美目的の歯列矯正に保険が適用されないのと同じ考え方です。

この場合、手術費用はクリニック側で自由に決めることができるため、同じ手術でも場所によっては金額に大きな差が出ることがあります。

その中でも「剪除法」という手術だけは、多くのクリニックで保険適用を受けられることができます。

保険を適用した場合だと3万5千円程度で手術を受けることができます。

この料金は国で定められた金額のため、アフターケア代や麻酔代などを含めたとしても大体5万程度でおさまりますので、大きな差額が発生することはありません。

保険を適用する場合、医師によって「わきが」と診断されなければなりません。

自らの身体の臭いを気にするあまり、実際はわきがではないのに「私はわきがかもしれない」と思い込んでいる方が少なくないのです。

まとめ

わきがを根本的に解決するのは手術によるアポクリン汗腺の除去・破壊が一番効果的です。基本的にわきがの手術は日帰りで短時間にて行うことができるものが多く、切開する手術の場合でも、傷跡は数センチ程度といった小さなもので済みます。

しかし、誰もが切開手術をすぐに受けられるわけではありません。

力仕事をしている方、部活動で激しい運動をする方などは、術後に一定期間脇を固定しなければならないため手術の時期を考える必要があります。

特に成長期の子どもはまだアポクリン汗腺が発達する場合があり、未成年のうちに手術をしてもすぐに再発してしまう可能性が考えられます。
詳しくは「子どものワキガ手術は何歳から?」の記事を御覧ください。

そうした場合、ボトックス注射というアポクリン汗腺の働きを数ヶ月間抑える薬剤を打つことや、対処療法であるデオドラント商品が活躍します。

最終的には手術をしてしまうことが早くて確実な効果を得られるのですが、なかなか仕事の休みが取れなかったり、金銭的にすぐに受けられなったりという方もいるでしょう。

わきがは発症した本人を一番悩ませるのはもちろん、周囲の人をも巻き込んでしまいます。

少しでも臭いを軽減し誰もが快適に過ごせるように、まずはあなたにとってベストなわきがの対策法を知るためにも、一度クリニックに訪れてみてはいかがでしょうか。