こどもや大人にかかわらず、わきがを持つ人は臭いの元を断ちたいと思うことでしょう。
臭いの元を断つのはそう簡単ではありませんが、臭いをごまかすことは難しくありません。
香水も臭いをごまかす手段の一つですが、使い方一つで逆効果になってしまう場合もあります。
今回は、わきがと香水の関係についてご紹介していきます。

そもそもわきがとは

わきがの原因

わきがとは別名「腋臭症」(えきしゅうしょう)と呼ばれており、脇から独特の臭いを発する体質を持った人のこと・またはその臭いのことを指して言います。

人間ならば誰もが生まれ持っている「アポクリン腺」という汗を流す身体の器官が、一般的な人よりも数が多い・大きい・活発な働きをしていると、それによって強い臭いを発生させてしまいます。

そういった体質が「わきが体質」と呼ばれています。

アポクリン腺から出る汗自体は無臭なのですが、その汗が皮脂と混ざり常在菌によって分解されることで、あのわきがの臭いとなってしまうのです。

しかし、アポクリン腺は人間であれば全員が少なからず持ち合わせている器官です。つまり、私たちは誰もがわきが体質になる可能性を持っていると言えます。

自分はわきが体質ではないと思っていても、アポクリン腺がある限り、突然臭いが気になるようになる可能性もあります。誰もが日頃のエチケットとして臭いの対策を取ることは大切なことだと言えるでしょう。

わきがはどのような臭いなのか

日本人は約10〜15パーセント程度の方がわきが体質を持っていると言います。

街ですれ違った時に臭いに気がついたり、家族や親戚で臭いが気になる方がいたり、ご自身が悩んでいらっしゃる場合もあるでしょう。わきがの臭いとは一体どのような臭いなのでしょうか。

これは受け取る側によって様々な表現をされます。

例えばよく聞くものであれば、玉ねぎのツンとした臭い・納豆の臭い・酢のような臭い、鉛筆の芯のような臭い、更にはそもそも言い表せない臭いといった意見もあります。

どれにも共通して言えるのは「あまり良い臭いではないこと」「ツンとした臭いですぐにわきがの臭いだとわかってしまうこと」でしょう。

わきが体質の方とそうでない方との決定的な違いは、「単なる汗臭さとは違う臭いがする」というところです。

以前はフェロモンだった?

このわきが特有の臭いは現代ではあまり好かれないことが多いのですが、古代ではわきがの臭いは「フェロモンの香り」と思われていたようです。

つまり、異性に対してとても魅力的な香りだったというわけです。フェロモンによって惹きつけられたもの同士が繁殖活動へ・・・というのは、今では動物でしか考えられないことですが、古代ではそういった文化が人間にもあったのではないかと言われています。

その中でも特に有名な話が、中国の絶世の美女として知られる楊貴妃です。

彼女は香ばしい臭いを身体から発しており、これがわきがの臭いではなかったのではないか?と言われています。

つまり、当時は「わきがの臭い」は異性を惹きつける=モテる、とても魅力的な香りであったと考えられます。しかし、現代ではそのようなフェロモンによる惹きつけから子孫の繁栄をする必要がなくなってしまったこともあり、わきがの臭い=良くない臭いとして認知されてしまっているのです。

わきがと香水

香水が発達した理由

わきがの臭いについて理解したところで、次は「香水」についてご紹介します。

香水はいまでは全世界で大流行している香り付けをするための化粧品です。

多種多様な香りとデザイン性の高いボトルがあり、海外セレブがプロデュースを行うことでその市場はとても大きくなっています。

香水の起源はエジプトで、これは鎮静薬の代わりとなっており、ミイラの防腐処理のために神聖なものとして使用されていたということです。

本格的に体臭への対策として使用が始まったのはその後のヨーロッパでした。

当時のヨーロッパでは疫病の対策のためあまり入浴をする習慣がなく、それによって体臭を消すために香水が流行したと言われています。

また、欧米人は日本人とは異なった食文化や体質を持っていること・わきが体質を持つ割合がとても高いこともあり、特に体臭が強い傾向があったのではないかと考えられます。

香水が香る理由

香水は、天然香料・合成香料などをエタノールに溶かした液体のことをいいます。エタノールには強い揮発性がありますので、香水をつけたと同時にエタノールが揮発し、配合されている香料がそれと一緒に香り立つことで、香水の香りを楽しむことができます。

香水の香る時間

香水には基剤となるエタノールに様々な香料が調合されていることがわかりましたが、その香料の濃度によって香りの強さが決まります。

それらは「パルファム」「オードパルファム」「オードトワレ」「オーデコロン」の4つに分類されています。

パルファム

香料濃度は15〜30パーセント程度。

持続時間は5〜12時間。

とても濃厚な香りなので、スプレーして使うのではなく一滴程度肌の上に乗せ、なじませるような使い方をします。

使用している香料が多いため価格も高価になりがちです。

オードパルファム

香料濃度は10〜15パーセント程度。

持続時間は5〜12時間。

パルファムよりも安価なため手にしやすい価格です。

持続時間もパルファム同様に長く、スプレータイプのため使用しやすいです。

しかし、職場などに使用するには少し香りが強すぎる印象があります。

オードトワレ

香料濃度は5〜10パーセント。

持続時間は2〜4時間。

香り立ちがあまり強くないため普段使いに適しています。一日中しっかりと香らせたい場合は何度か付け直す必要があります。

オーデコロン

香料濃度は1〜5パーセント。

持続時間は1時間程度。

低濃度で香りも軽くスプレータイプが主流。ほのかな香りを纏いたい時にオススメです。

安価できつすぎないため、学生さんが購入されることが多い印象を受けます。

相性の良し悪し

そもそもわきが対策に香水はいいの?

香水の種類や仕組みについて理解できましたが、ではわきがの臭いに悩んでいる方が香水をつけることは適切な対策と言えるのでしょうか?まず、香水をつけることで結果的にわきがの臭いが強くなることや症状が悪化してしまうことはありません。

しかし、香水の香りとわきがの臭いが混ざることによって、かえって不快な香りを作り出してしまう可能性があります。

前述の通り、香水に含まれるエタノールには揮発性がありますので、正しい対策をせずに香水を使ってしまうと、香水の香りと同時にわきがの臭いも身の回りに振りまいてしまうことになってしまうのです。

相性の良い香水を正しい使い方で纏うことで、臭いを少しでも気にならなくさせることは可能です。

しかしこれにはさまざまな見解があり、そもそもわきがの方が香水を使用することに対し否定的な意見もあります。

わきがと相性がいいと言われる香水

柑橘系

レモン、グレープフルーツ、ベルガモットといった柑橘系の香りです。

すっきり爽やかな香りで、嫌な臭いを気にならなくさせる効果があると言われています。

好き嫌いが分かれにくく万人受する香りのため、失敗する可能性が低いのも嬉しいところです。

ツンとした酸っぱい臭いがするわきがの方におすすめです。

相性の良さに個人差が分かれる香水

オリエンタル系

オリエンタルと言われるとなかなかどのような香りか思いつかない方も多いかも思いますが、代表的なものに「ムスク」があります。

これは少し甘めのエキゾチックな香りです。

よくフェロモンの香りと言われることもありますが、人によっては良い香りに感じられないという方も多いです。

前述の通り、わきがの臭いも古代ではフェロモンの香りと言われていたようですので、ムスクの香りも個人差の分かれる香りだと言えます。

ウッディ系

別名グリーン系とも呼ばれる香りで、森のような清々しい香りが特長です。

場合によっては「おじさんのような臭い」と言われることがあるため、オリエンタル系同様、物によってはかえって気になる臭いになってしまう可能性が有ります。

わきがと相性の悪い香水

フローラル系

フローラル=花と言っても多種多様で、一つの花の香りだけで作られた物や、たくさんの花の香りを調合したものなど様々です。

わきがの臭いと合わないとされるとは、フローラルの中でも甘めの花の香りです。

イランイランやネロリといった甘さの少ないタイプを選ぶとよいでしょう。

バニラ、ココナッツ系

甘い香りの王道であるバニラ・ココナッツ系はわきがの香りとは相性がとても悪いです。

混ざり合うことでとても嫌な臭いに変化してしまうためです。

甘い香りであることを前面に押し出して作られている香水は使用を避けたほうが無難だと言えます。

香水でわきがの臭いは消えるか?

事前にしっかりとしたケアが必要

香水は香り纏うことができるといった点ではとても良い役割を果たしています。

しかし、わきがの臭いに何一つ対策をしないままいきなり香水を使用したところで、わきがの臭いと混ざり合ってしまいせっかくの香水の良さを引き出すことができません。

よって、香水を使用する前に自身のわきがの臭いを最小限まで抑える対策が必要です。

香水をつける前に患部をしっかりと洗浄しておく必要があります。

わきがは、脇にあるアポクリン腺から分泌された汗が皮膚の常在菌によって分解されることによって臭いを発生させているため、わきが用の石鹸やクリームで皮膚の常在菌を殺菌すること・そして制汗剤を使用して汗の分泌が活発にならないように事前に抑えておくことが大切です。

香水はあくまでも対処療法

香水は「いい香りを纏うためのもの」であることは勿論なのですが、わきが体質の方にとっては「臭いをごまかすためのもの」になってしまいます。

香りの強い香水だからと言って完全にわきがの臭いを消すことができるわけではありません。

一時的に臭いが気にならなくなったとしても、しばらくするとわきがの臭いはこれまで通り発生してしまいます。

しかし、香水のおかげでわきがの臭いが少しだけでも気にならなくなれば、日々の生活が少しでも楽に過ごせるのではないでしょうか。

根本的にわきが体質を改善したいという方は、原因であるアポクリン腺を除去する方法を実施するのが一番の近道です。

香水はあくまでも対処療法であり、根本的な解決にはならないことをよく理解しておきましょう。

まとめ

これまで香水とわきがについての関係をご説明しましたが、第一に言えることは香水ではわきがの臭いの原因を治せるわけではないということです。

あくまでもわきがの臭いを軽減させる手助けをするためのものであり、使い方によっては臭いを余計に悪化させてしまう可能性があることもしっかりと頭に入れておく必要があります。

わきが体質の強さによっては、入念なデオドラント対策をし、いくら香水を纏ったとしても、臭いを気にならなくさせることができない場合もあります。

また、香りの相性の良し悪しに関しても個人差があります。

臭いの軽減のために香水の使用を検討している場合は、いろいろな香りを試して自身に合ったものを探していくとよいでしょう。