わきがの悩みはわきがを持つ方にとっては大変重要な悩みです。
今回は、わきがの悩みを持つ方に向けて、わきがを抑えるための飲み薬についてご紹介いたします。
外用薬と内服薬のどちらもご紹介しておりますので参考にして下さい。

わきがで病院に行く

そもそも何科に受診したらいいのか

「もしかしたら自分がわきがかもしれない」と思ってしまったら、どのように対処したらいいのだろうか?ととても不安な気持ちになるのではないでしょうか。

臭いに関する悩みというのは非常にデリケートなため、なかなか人には相談しにくい問題です。

また、深く悩みすぎたあまり、実際にはわきがではないのに「私はわきがである」と思い込んで精神的に落ち込んでしまうケースも多いようです。

そのような場合、実際の症状や程度をしっかりと確認して正しい対応を取るためにも、まずは医師の診断を受けることが大切です。

わきがは「皮膚科」「形成外科」「美容外科」などのクリニックで診てもらうことができますが、わきがに関してどのような治療法を行っているのかそれぞれのクリニックで違いがあります。

例えば、基本的には手術などは行っておらず塗り薬や飲み薬で対応するだけのクリニックもあれば、すぐに手術をして治しましょうという方針のところもあります。

そもそも手術する設備が整っていない場合もあります。

まずは自身の通いたいクリニックが目的の治療法に対応しているかどうかを事前に調べておくと良いでしょう

手術で行える治療

わきがの治療法として一番効果的だと言われているのは、原因となるアポクリン汗腺そのものを取り除いてしまう手術を受けることです。

これは形成外科や美容外科で行っています。

多数ある手術方法の中でも「剪除法」と呼ばれる手術は、多くのクリニックで保険を適用して受けることができるため、安価で効果も高い最もポピュラーな方法だと言われています。

これは脇の皮膚を数cm切開し、皮膚を裏返し、そこにあるアポクリン汗腺を直接除去するという手術方法です。

皮膚の切開をしたくない場合は、皮膚の上から特殊な電磁波を照射することでアポクリン汗腺を破壊するといった方法もあります。

剪除法以外の手術の多くは保険を適用することができません。

そのため、費用が30万〜40万といった高額になることがほとんどです。

これはわきががまだ審美目的の治療だと考えられているため、美容整形などと同じで自由診療の扱いになってしまうことが原因です。

手術以外の治療法(飲み薬・塗り薬)

わきがで皮膚科に受診をすると、一時的に症状を抑えるための内服薬や外用薬を処方されることがあります。

これは汗を抑えるための飲み薬、原因菌を殺菌するための塗り薬であることが多いです。

もちろんその他にも、わきがの症状によって併発される症状に対する薬が処方されることなど、患者の状況によって対応は様々です。

これらの薬はわきがの症状がまだ軽度の方にはとても効果的です。

また、すぐに手術ができない等の理由がある方にも一時的に症状を抑えるために処方されます。

しかし、どちらもわきがを根本的に治すためのものではありませんので、薬を飲むのをやめると症状は再度出てきてしまいます。

ちなみに、皮膚科ではあまりわきがの手術を直接行っているところが少ないのが現状です。

しかし早めに手術が必要だと思われた場合、また患者本人が手術を希望した場合は、他院への紹介状を書いてくれるのが一般的でしょう。

外用薬(塗り薬)

塩化アルミニウム液

病院で処方されるわきがの外用薬の中で一番多いと言われています。市販の制汗剤にも時々含まれている成分で、汗の分泌を抑える効果があります。

わきがはアポクリン汗腺から分泌された汗が原因ですので、汗をとめることができれば臭いの軽減に繋がると考えられます。

塩化アルミニウムの濃度によってわきがへの効果は強弱があり、濃度は商品や処方によって大きく異なります。

日本では市販品では13%までの製品しか存在していません。

国内の病院で処方されるものでも20%程度です。

外国製も国によりますが同じく20%くらいまでの製品があります。

使用方法は、薬剤を脇に数日間塗り続け、効果が出てきたらそこから数日感は塗布をやめます。

効果が出ると1週間程度持続するためです。

効果が切れたらまた塗布を再開するという方法で使用します。

塩化アルミニウムのデメリットは、肌に合わないと痒み症状が出てしまうことです。

濃度が高すぎると痒みが出ることもありますので、一概に高濃度の商品が良いとは言い切れません。

抗生物質

次に多いのが塗るタイプの抗生物質です。

クリームや軟膏状のものなどいくつかありますので、形状は病院によって違ってくるかと思います。

これは皮膚の常在菌を減らすために処方されます。

わきがの原因はアポクリン汗腺から分泌される汗ですが、詳しく原因を辿ると分泌された汗が皮脂や汚れと混ざり合い、皮膚状の常在菌によって分解されることで初めてわきがの臭いを発するのです。

つまり、薬で常在菌を減らしてしまえば、万が一汗をかいてしまっても大丈夫という考え方です。

しかし抗生物質は長期間使用を続けると体の免疫力の低下に繋がり、それによって様々な病気を併発してしまう可能性が考えられます。

こうした外用薬での治療は対処療法になりますので、一時的に症状を抑えるためのものだと認識しておきましょう。

内服薬(飲み薬)

抗コリン剤

プロバンサインという飲み薬です。

「臭化プロパンテリン」という成分でできており、これには汗の分泌を抑える効果があるため、多汗症の方などに処方されます。

わきがの方は汗をかきやすいタイプの方が多いですし、汗をかく=わきがの臭いを悪化させてしまう行為ですので、わきがで内服薬となるとほとんどの場合この薬が処方されます。

わきがの原因となる脇からの汗だけでなく、全身の汗をかかないように抑える効果のある薬ですので、こちらもあまり長期間使用するのは望ましくありません。

副作用として尿の出が悪くなる・目や喉の乾きが挙げられます。

汗をかきにくくするということは、結果的に体温調整がうまくいかなくなり、体が火照ったりのぼせたりするような症状が出ることがあります。

特に夏場などの服用は慎重に行う必要があります。

医師と相談の上、正しく服用をしてください。

向精神薬・安定剤

これはわきがに悩む方の不安状態を解消し、精神的な気持ちのバランスを整えることが目的です。

ストレスによって臭いが悪化してしまうのを防ぐことはもちろん、周りの目を必要以上に気にしすぎるあまり精神病を併発するわきが患者さんが少なくないため、そういった方へ向精神薬を処方することでメンタルヘルスのケアに役立つと言えるでしょう。

直接わきがの臭いを緩和させる薬ももちろん大切ですが、こうした違う側面からのサポートも重要です。

特にわきがは一般的な病とは異なり大変デリケートな問題のため、人に相談しにくく患者さんが一人で抱え込んでしまうことが多いの

心のケアと体のケアをしっかり行うことで、より確実で迅速な対応へと繋がっていくでしょう。

ピル

ホルモンバランスとわきがはとても深い関係があります。

成長ホルモンの分泌によってアポクリン汗腺の働きが強くなるのはもちろん、女性においては女性ホルモンのバランスが崩れることによってわきがが悪化する可能性があります。

そのため、初潮時・妊娠や出産を機にわきがの症状を発症してしまうこともあるのです。

女性ホルモンには「エストロゲン」と「プロゲステロン」という2種類のホルモンがあり、この二つは常にバラバラの動きをしています。

どちらも量が増えたり減ったりしてバランスを保っています。

つまり、分泌量が多い=良い状態、とは単純には言い切れないのです。

量を増やすことではなくバランスを整えることに重点を置くと、有効なのがピルの服用です。

ピルは女性ホルモンを含んだ薬で一般的には避妊薬として認識されていることが多いのですが、生理痛の軽減や肌荒れのために飲んでいる方も多い薬です。

服用することで身体が妊娠しているようなホルモンバランスの状態を作り、そのバランスを一定に保つことで体調も安定してきます。

これによってわきがの原因となる過剰・不足したホルモン状態を改善することができます。

しかし、前述の通り妊娠を機にわきがになる方もいるので、ピルはすべての女性に必ずしも有効な方法ではないと言えます。

漢方薬

クリニックによっては漢方薬を処方するところがあります。

西洋医学では、悪いところに直接作用させる一点集中型の医療を行います。

例えば、細菌に感染しているので細菌を殺す薬を飲むと言った方法です。

原因がわかっているものに関しては西洋医学のほうがピンポイントで治療できます。

比べて東洋医学は、なんとなく体調が悪いというような原因がわかりにくいものに対して漢方薬を用いることで症状を改善していくという考え方です。

以前は漢方薬に対して効き目が疑われていたりしたこともありましたが、現在では取り扱うクリニックが大幅に増加し、実際に多くのクリニックで処方されています。

漢方薬は効き目が出るまでに時間がかかることが多いため、西洋医学と東洋医学を融合させて、鎮痛剤で痛みをとめながら漢方薬で体質改善を行うというような処方の仕方を取り入れているところもあります。

わきがに関しても同じで、”汗を直接とめてしまう治療法”ではなく、水分の代謝を整える効果のあるものやイライラや不眠を解消するもの、体の火照りを取り除く漢方などが処方されます。

市販薬との違い

処方薬と市販薬の大きな違いは「効き目」です。

処方薬はその効果が高い分、副作用のリスクがありますので、医師によって正しい処方がされた後に薬剤師による説明を受けてやっと入手することができます。

その分、市販薬はドラッグストアで簡単に手に入るのがメリットです。

近年では一部の薬においては処方薬と全く同じ成分の薬が販売されていることもありますが、基本的には病院の薬よりも効き目が強いものはなく、手に入る薬の種類も特定のものに限られているのがほとんどです。

わきがに関して考えてみても、市販薬となると一般的な制汗剤や少量の漢方薬しか取り扱いがありません。

これらで症状が治まるとても軽度の方であれば良いのですが、ほとんどの方がそれでも臭いが気になってしまうのではないでしょうか。

処方薬は強い制汗効果・殺菌効果がある薬や、複数の漢方薬を組み合わせて使用することができるため、効率良く症状を改善することができると考えて良いでしょう。

まとめ

クリニックで処方される薬について詳しくまとめました。

内服薬と外用薬を併用して治療を行うと大変効果的であると考えられますが、どちらもわきがの原因を根本的に治すものではありません。

そして薬の特性を考えてみても、何年間も長期的に服用・使用を続けるのが良いともあまり言えません。

こうした治療方針については医師とよく相談する必要があるでしょう。

いくら処方薬が一時的な対処療法だと言っても、今すぐに手術ができない方や市販薬では効果がなかった方には魅力的なのではないでしょうか。

近年では、海外製の強力な制汗剤を使用する方も増えていているようですが、輸入品はその入手の手間から商品代が高くなりがちなため、病院を受診したほうが案外安価に効果的な薬を入手できる可能性もあります。

医師による指導も必ずあり、万が一肌に合わなかった場合、医師が処方した薬であればその対処法もすぐに取ることができるため、安全性も高いと言えます。

わきがを早く治したいけれど勇気がない、費用がない、時間がないといった理由で手術に踏み込めない方はたくさんいます。

手軽な内服薬・外用薬で少しでもわきがの悩みを改善することができるかもしれません。

処方薬を一度試してみるのも良いのではないでしょうか。