自分がわきがになってしまったと気づいたとき、まず思うことは「治したい」ということではないでしょうか。
わきがを治す場合、手術などによる病院の治療という手段がありますが、実際に病院に行く際には何科で受診するべきなのでしょうか。
今回はわきがの治療について、受診できる科や薬の処方についてご紹介していきます。

わきがは病院に行きましょう

身近な病院に受診

もし自分がわきがかもしれないと思ったら、自己判断だけではなく必ず医師による診断を受けるべきです。

なぜなら自分の臭いというのは案外判断が難しいからです。

実際にはほとんど臭いがしていないにも関わらず、本人が必要以上に周囲の目を気にしすぎるあまり、私はわきがだと勘違いしてしまうことがあります。

段々とその悩みは膨らんでいき、気が付かないうちに精神病を引き起こしてしまう程悪化しているということも少なくありません。

また、病院を受診して実際にわきがという診断をされたとしても、正しい治療法を知ることができますし、症状の重さについても把握することができます。

わきがを診断してくれる科は主に「皮膚科」「形成外科」「美容形成外科・美容皮膚科」です。

それぞれの科でどのような対応をしているか詳しくみていきましょう。

皮膚科

まずわきがの疑いを持ったら最初におすすめしたいのが皮膚科です。

皮膚科はクリニックの数も比較的多く、割と誰でも入りやすい雰囲気があります。

わきがというデリケートな問題上、多くの方は症状を人に知られたくないと思ってしまいます。

そして治療している姿も他人から見られたくないと思ってしまうのではないでしょうか?そもそもわきがは誰にでも起こりうるため恥ずかしく思う必要はないのですが、実際になってしまうと中々前向きに考えられなくなってしまいます。

しかし、皮膚科であれば万が一誰かに通院する姿を見られても「最近肌荒れが酷くて」などと言うことができます。

皮膚科では実際に医師が臭いを嗅いだり、家族にわきが体質の方がいるか、耳垢が湿っていないかなどのチェックを行ったりしてわきがの診断をします。

これによって治療が必要な場合、皮膚科では主に内服薬・外用薬を処方することで症状を抑えていくという方法が取られます。

症状が重い場合、また患者がすぐにでも手術を希望する場合、皮膚科で手術をする設備が整っていればそのまま行いますし、なければ他院へ紹介状を書くなどの対応が取られます。

形成外科

形成外科は手術を前提として受診をすべき科です。

形成外科というのは、事故や病気などによる傷跡を目立たなくする治療や、皮膚の表面のできものや異常を治療する科のことを言います。

形成外科でもわきがかどうかの診断を行っており、症状によっては治療薬を処方してくれる医院もありますが、基本的には治療法のメインは「手術」だと思っていた方がいいかもしれません。

その中でも、保険が適用になる剪除法を取り入れている医院が多く、基本的には保険適用外の治療は行っていないところがほとんどです。

しかし、近年ではわきがへの治療に力を入れているクリニックも多く存在しますので、受診する前に問い合わせをしておくのがおすすめです。

もし手術するまでに至らなかった場合、症状を抑えるための薬を処方してくれるかどうかなども一緒に確認しておくと良いでしょう。

美容外科・美容皮膚科

わきがに関して近年特に力を入れているのが美容外科・美容皮膚科です。

いわゆる美容整形を行っているクリニックです。

わきがと診断された場合、形成外科同様に保険適用で手術を行うことができます。

手術法も複数ある中から選ぶことができる病院が多く、一般的な剪除法だけでなく、皮膚の切開が少ない吸引法や、全く切開を行わないミラドライ法などがあります。

但し、その場合は保険を適用できないため、手術費用は数十万円という高額になります。

クリニックによっては「保険診療はしない」と剪除法自体行っていないことや、設備によってできる手術とできない手術があります。

また、手術以外の方法を希望する場合は、塗り薬や飲み薬による治療も行っているところがあります。

多くのクリニックでは、ホームページにわきがの治療方法・費用について記載していますので、チェックしてみましょう。

処方される薬

塩化アルミニウム溶液

わきがで病院を受診した場合、薬を処方してもらうことができます。

これらは市販品とは違い、効果が高いことが特長です。

「塩化アルミニウム」は市販の制汗スプレーなどにも含まれている制汗成分です。

市販品には最大13%までしか配合できない決まりになっています。

しかし、現状ほとんどの製品では数%程度しか含まれていないため、最大である13%まで含有している製品は非常に珍しいです。

クリニックで処方される塩化アルミニウム溶液は約20%の濃度のことが多いようです。

濃度が高ければ高いほど効果は高いと言われています。

一度効果が出ると数日間は持続するため、しばらくの間は休薬することができ、効果が切れてきたと思ったらまた使用を開始する、というお薬です。

効果が高いと副作用が出やすくなってしまうのがデメリットです。

皮膚の痒みやかぶれが起きることがあるため、症状が出た場合は速やかに医師の指示通り対応しましょう。

抗生物質

塩化アルミニウムと一緒に処方されることが多いのが抗生物質を含んだ塗り薬です。

抗生物質には脇の常在菌を殺菌する作用があります。

脇の汗が常在菌によって分解される時にわきがの臭いを発生するため、常在菌を減らしてしまえばどんなに汗をかいても臭いが出にくくなるという考え方です。

しかし、抗生物質を長期間使用し続けるという医療は基本的にはあまり良いものではありません。

なぜなら、悪い菌だけでなく良い菌も同時に殺菌してしまうため、抗生物質を使用している間は体の免疫力が一時的に低下してしまうのです。

その状態を長期間作り出してしまうのは決して良いことではありません。

使用期間やその後の治療方針は医師と相談して決めていくものですので、その上で処方されることになるかと思いますが、根本的な治療にはならないということを考えていた方がいいでしょう。

プロバンサイン

内服するタイプの制汗剤です。

人が汗をかく時には必ずアセチルコリンという物質が分泌されるようになっているのですが、この「プロバンサイン」にはアセチルコリンの分泌を抑制する作用があります

このような働きをする薬のことを抗コリン剤と呼びます。

アセチルコリンが分泌されないとなると、汗をかくことができなくなるため、服用することで全身の発汗量を抑えることができるのです。

高い制汗効果があるため、わきがだけではなく多汗症に悩む方にも有効とされていますし、全く異なる疾患でも処方されることがあります。

しかし、汗をかかなくなるということは体温調整が難しくなりますし、体の火照りを感じるようになったり、喉や目が乾く・尿の出が悪くなったりするなどの副作用があることもわかっています。

そのため、毎日飲み続けるような薬ではなく、何か特別な時・どうしてもわきがの臭いを抑えたいというここぞという時に応急処置のように使用するのが良いと考えられています。

漢方薬

あまり長期的に使用することができない薬が多い中、長期的に服用できるのは東洋医学の漢方薬です。

基本的に長く服用しなければその本来の効果がわかりにくいものが多いのです。

西洋医学では病や原因に症状に直接働きかける考え方をします。

例えば、ある菌に感染してしまった場合、その菌を殺菌する抗生物質を投与することで感染を根源から治していくと言った方法のことです。

東洋医学では、そのような直接病に働きかける効果は高くないものの、「なんとなく体調が悪い」というような原因がはっきりしない不調に対して効果を発揮します。

患者の実際の症状や訴えを聞きながら、不調を引き起こす体質そのものを改善していくことが漢方の役割です。

例えば「お腹が痛い」という症状に対し、原因は「体の冷え」や「むくみ」に効果のある漢方を処方することで、徐々に体全体の状態を改善し、結果的に腹痛を治していくのが東洋医

これがわきがへ処方となると、精神的な不安から汗をかきやすくなっているのか?肥満によるものではないのか?身体が火照りやすい体質ではないか?など、一人一人の状態に合わせて医師が最適なものを選んでいきます。

漢方には「臭いを抑える」「汗をかかなくさせる」という効果はありません。

それぞれに合った処方によって、臭わない・汗をかきにくい体質を作っていくのが漢方のあり方です。

病院だからできること

市販品との違い

「塩化アルミニウム」においては市販品にも微量ながら含まれているのですが、それでも市販品と処方薬との大きな違いは「効果」です。

医師によって処方される薬は、濃度が高く効き目が大きい、ですがその分副作用が出る可能性も高めになります。

そのためしっかりと医師によって診察を行い、症状に対して的確な薬を処方する必要があります。

高濃度の塩化アルミニウムを含む商品は海外から輸入することによって手にすることができますが、皮膚の荒れといった症状が出てしまうトラブルも多いのです。

また、内服薬の「プロバンサイン」や、抗生物質はドラッグストアででは購入できません。

今の所、飲み薬で全身の汗を効果的に抑えることができるのはこのプロバンサインしかありません。

費用は保険適用になるのか

手術の中でも剪除法だけは保険が適用になりますが、その他の手術ではほとんどのクリニックが保険適用外だとしています。

では、前述の内服薬・外用薬ではどうなのでしょうか。

どの薬も正しく疾患に使用される場合は保険適用になるようですが、わきがはなかなかその線引きが難しい症状のようです。

あるクリニックでは保険適用外のこともあれば、同じわきがの方が別のクリニックを受診すると保険適用になったというケースもあります。

薬自体は保険を適用できるものになるのですが、どのような症状に使うのか?という医療的行為なのか、審美目的になるのか、わきがをどのような症状として捉えているのかが医師によって分かれてしまうようです。

まとめ

わきがになった時に受診する病院、そしてそこで処方される薬についていくつかご説明しました。

美容外科では大々的にわきがの治療に取り組んでいることをホームページなどで宣伝しているのを見かけますが、皮膚科や形成外科ではあまり治療法のページを作っているのは目にしません。

これはまだわきがが審美的観念で捉えられてしまっていることがあるのかもしれません。

しかし、理解ある医者であればどの科でも話を聞いて診断してくれますし、反対に美容外科だからといって全てのクリニックでわきが治療を行っているわけではありません。

わきがの内服薬・外用薬にもいくつか種類がありましたが、これも医師によっては処方しないという考え方を持つところもあります。

クリニックによってそれぞれ方向性がありますし、治療に関しても医師の考え方や設備の問題などが関わってきますので、自分の希望する薬が必ず欲しいと思う場合は事前に問い合わせすることや、調べておくことが大切になってくるでしょう。