時おり患者様から「ワキガの手術には、適齢期があるのでしょうか」という質問をされることがあります。

これはひとことでお答えしにくい質問で、いちがいに決めることができません。

美容医療の場合ですと、肥歳あたりがひとつの目安になります。女性の体の成長は肥歳前後で一応のピークを迎え、そのあとは30歳代の後半頃まで安定した状態が続きます。

成長期にある女性に手術を施すのは、あまり好ましくありません。

特に、豊胸術や脂肪吸引など、体型を変えるような手術はなおさらです。ですから一般の美容医療では、体の状態が安定してきた肥歳以降に行うのが良いと考えられます。

ワキガ・多汗症の場合も、同じように考えることができます。ワキガ・多汗症は、症状そのものがホルモンの影響を受けやすいもの。思春期になって体に大きな変化が現れると、同時に汗やニオイが気になるようになってくる、ということも少なくありません。

そしてホルモンの状態が安定する頃になると、汗もニオイも通常レベルに落ち着いてくる、ということもあるのです。ですから治療を行うのであれば、体の成長がひと通り終わり、ホルモンの状態が安定してから行うのが良いのです。

ところが、ワキガ・多汗症は遺伝的な問題でもありますから、小学校低学年でひどく臭うケースもあります。

こんな例がありました。ある小学生の女の子が、お母さんと一緒にクリニックに来られました。お母さんの話では、その女の子は夏になると、「クサイ女!」と学校ではやし立てられ、友達もできず、ついには登校拒否になってしまったとのことでした。

このようなケースでは「ホルモンの分泌が安定してから」などと、のんびり構えているわけにもいきません。

実際に女の子のワキガの状態も重症でしたので、さっそく手術をしたそうです。

私が扱う美容医療のメニューと同じく、ワキガ・多汗症治療も「今すぐ処置しないと命にかかわる」というようなことはほとんどありません。ですから体に負担が少ない時期を見計らって手術するのがいちばんです。

ですが本人がひどく悩んでいたり、症状を放置することで別の大きな問題が起こることが予測されるような場合には、年齢にこだわらず治療を行うこともあります。遺伝的な問題が明らかであれば、手術は早ければ早いほうがいいことも多いのです。

逆に高齢の方であっても、手術は可能です。ワキガ・多汗症の症状が認められ、健康上の問題がなければ、たとえ何歳であっても治療を受けることができます。

汗と臭いの悩みに年齢は関係ありません。一人で悩まないでください。